まさつぐ法律事務所

法律相談 Q&A 

・・・ まさつぐ法律事務所があなたの悩みにお答えします。

 

(この回答は一般的な参考意見ものであり、個別の状況に応じた法的アドバイスを希望される方は、個別に法律相談をお受けになることをお勧めします。)

 【刑事問題】
Q1 (執行猶予(しっこうゆうよ))
 「被告人を懲役2年に処する。ただし、この裁判確定の日から3年間刑の執行を猶予する」との判決は具体的にどういう意味ですか。
A1  この判決が確定した日から、3年間、社会で無事に過したら、刑務所に入らなくてもよいという意味です。ただし、3年間のうちに、別の犯罪を犯すと新しい犯罪での刑罰(例えば3年)と懲役2年と合わせて合計5年間刑務所に入らなければならないのが原則です。
 ただし、執行猶予期間中の犯罪が、情状を特に斟酌すべき事情があるとき、例えば、見通しのきかない狭い道路から飛び出して来たバイクと被告人が運転していた乗用車が衝突し、バイク運転手が全治2ヶ月のケガをしたような場合は、執行猶予がもう一度、保護観察付でつくことがあります。しかし、3度目の執行猶予はありません。
  「被告人を懲役2年に処する」という判決は、判決が確定したら直ちに2年間刑務所に入らなければならないという意味です。  
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Q2 (出所後5年以内)
 懲役2年の刑に服し、出所して来た者が、1年して、窃盗罪を犯して起訴されました。窃盗罪の被害者には全部弁償しましたので、今回、執行猶予になるでしょうか。
A2  刑務所を出所して5年以内に禁錮以上の刑(懲役は禁錮以上の刑)に処せられたことがない者でないと、法律上、絶対に執行猶予はつきません。 

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Q3 (仮出獄)
 懲役2年でも、仮出獄によってもっと早く刑務所を出ることは出来ますか。
A3  刑法28条で、「懲役または禁錮に処せられたものの改悛の情があるとき(刑務所内での業績が良いとき)は、刑期3分の1無期刑については10年を経過した後、地方更生保護委員会の処分を以て、仮に出獄を許すことがある」旨を定めています。実際には懲役2年でも、1年半程で出て来ている人があります。無期懲役の場合は、実際に10年で仮出獄になった話は聞いたことがなく、特段の事情がなければ、やはり15年か20年の期間を経ていないと、国民感情が納得しないでしょう。
 仮出獄中に、別の犯罪を犯せば、勿論、仮出獄は取消されます。 
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Q4 (罪とならない場合)
 他人を死亡させた場合でも、殺人罪とならない場合がありますか。
A4  法令による行為(例えば、死刑囚を絞首刑に処す担当者)、正当な業務に因る行為(例えば、ボクシングの試合中に相手が死んでしまった場合)、正当防衛の場合(自分を殺しに来た者を、身を守るために争っているうちに、屋上から地上に落として死亡させた場合)、緊急避難の場合は、殺人罪にはなりません。
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Q5 (自首)
 自首するとはどういう意味ですか。
A5  罪を犯した者が、捜査機関がまだ犯人が誰かが判明していないときに、「自分が悪いことをしました」と名乗り出るのが自首です。しかし、氏名を隠して犯罪事実を申告するのは自首にはなりません。自首をすると、刑を軽くしてもらえる場合があります

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Q6 (共犯)
 AとBは、Cを殺害することを共謀し、AがCの殺害を実行し、Bは現場におらずに、Aに対し殺害の謝礼として金200万円を支払いました。Bは殺害行為に手を下していないので、無罪と言えるでしょうか。
A6  刑法60条に、「2人以上、共同して犯罪を実行した者は、皆、正犯とする」、刑法61条に、「人を教唆して犯罪を実行せしめたる者は正犯に準ず」と定めてあります。 Bは、「犯罪実行に欠くべからざる行為(実行行為に密接かつ必要な行為、たとえば窃盗における見張行為等)」をしていませんので、「共同して犯罪を実行した者」には該当しませんが、少なくとも、「人を教唆して犯罪を実行せしめたる者」には該当しますので、BもAと同じように殺人罪で起訴されて当然でしょう。しかし、Aの殺人実行行為の悪質性はBよりも上ですから、刑罰は3:2くらいの重さになるのではないでしょうか(勿論、A・Bの前科や情状によって一概には言えませんが)。
 また、刑法62条に、「正犯を幇助したる者は従犯とす」と定めてありますので、AがCを殺害しようとするのを知りながら、Cの居所等をA・Bに教えた者(D)も殺人罪の従犯として起訴される可能性があります 。 
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Q7 (証拠湮滅(しょうこいんめつ)と弁護士)
 拘置所に拘留されている被疑者(A)からAの弁護人(B)が、ピストルの隠し場所を他の場所へ変えるように、Aの妻Cに伝えてほしいと言われ、BはCにAの伝言を伝え、Cはピストルを別の場所に隠しました。結局、このことが警察にバレてしまいました。A・B・Cの責任はどうなりますか。
A7  刑法104条(証拠湮滅罪)は、「他人の刑事々件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、2年以下の懲役または20万円以下の罰金に処する」と定まっています。
 「他人の刑事々件」となっていますので、A(本人)はこの罪にはなりません。 Cについて、刑法105条(親族による犯罪に関する特例)に「刑法104条の罪については、犯人の親族が犯人の利益のために犯したときは、その刑を免除することができる」旨が定められていますので、Cは不起訴になるか、起訴されても刑免除の判決になる可能性があります。
  Bは刑法104条の証拠湮滅罪を免れ得ません。有罪の判決を受け、且、弁護士資格を失い、弁護士の仕事を永久に出来なくなります(似た事例が、昔、大阪でありました)。 依頼者の中には、弁護士に金さえ出せば、証拠湮滅的なことをやってくれるのでないかと思って頼む人がありますが、どの弁護士も法律で正しいことは協力するが、法律に違反したことに協力すれば、弁護士の資格がなくなるので、法律に違反したことは絶対に協力しません。  
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Q8 (不退去罪)
 サラ金屋から、Aは、100万円を借りているが、残念ながら約束通り返せないので、サラ金屋がしばしばAの家へ来て、返済を請求し、長時間ねばるので、Aの仕事にさしつかえるし、家族もこわがっている。法律上、何かよい方法はないのでしょうか。
A8  刑法130条(住居侵入等)に、「正当な理由がないのに、人の住居もしくは人の看守する邸宅・建造物もしくは艦船に侵入し、または要求を受けたにもかかわらず、これらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金に処する」と定めてあります。
 Aはサラ金屋に「帰って下さい」(または「出て行って下さい」「お引取り下さい」でもよい)等、退去を求めても、サラ金屋が出て行かなければ、110番でパトカーをよんだらよろしい。サラ金屋の行為は、上記の「要求を受けたにもかかわらず、これらの場所から退去しなかった者」に該当します。これを不退去罪と言います。本問のように、うるさいサラ金屋との話の時には、テープレコーダーで録音をしておくと、恐喝・脅迫的な言葉を吐いていることも多く、後日、警察が協力してくれやすくなります。
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Q9 (証人出頭すれば身の危険がある場合)
 暴力団の実情について知るAは、裁判所から証人呼出状を送達されました。Aは病身でもあり、暴力団の後難をおそれて、証人になりたくない、また、証人に出てウソを言いたくないと思っています。Aが助かる方法は何かありませんか。
A9  刑法169条(偽証)に「法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、3月以上10年以下の懲役に処する」と定めてあります。
  Aは裁判所へ行きましたが、宣誓しなければ証人調べが行われません。宣誓しなければ、宣誓拒否罪として、刑事訴訟法160条・民事訴訟法201条で、10万円以下の罰金または過料に処せられます。
 Aは裁判所へ行かなければ宣誓をすることもありません。裁判所へ出頭しなければ、不出頭罪として、刑事訴訟法150条・民事訴訟法193条によって10万円以下の罰金または過料に処せられます。
  結局、Aは裁判所へ出頭しないのが最も賢明な身の処し方になります。罰金も過料も科せられない場合もあります。(元来、証人になるのは国民の義務ですから、BとCの争いについて両方ともからうらまれたくないというだけでの理由で証人になるのを拒むのはとんでもないことです。証人に出なければ、正しい裁判が行われないのです。しかし、Q9のように、Aの生命・身体に対する不安が高い場合は、不出頭もやむを得ないと思います。)  
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Q10 (強姦で逮捕された時の対策)
 Aは大学生で前科もないが、Bを強姦したので逮捕されました。Aの家族としては、今回だけは何とかAを助けてやりたいが、どのような方法がありますか。
A10  強姦罪は、被害者Bの告訴がなければ起訴されません。Bの住所・氏名が判明しているのなら、Bまたはその親と連絡をとり、誠意を尽くして謝罪し、示談をすべきです。強姦したときの様子により、Bの被害感情が高く、何としてでもAを刑務所に入れなければならないというときもありますが、逮捕から23日目くらいに起訴になりますので、一度であきらめないで、何度かBへ足を運ぶべきです。 示談の条件として、Bに告訴を取り消してもらうのです。起訴されてしまえば、告訴の取り消しは出来なくなります。 示談金は、Aとしては、100万円や200万円を出して助かるなら安いものかも知れません。起訴されたら、大学もやめなければならず、有罪となれば、社会的信用も低下します。これを防げるのです。 また、A単独でなし、強姦の加害者が2人以上の時は、告訴がなくても、強姦罪で起訴されます。刑罰が終わっても、Bの損害賠償請求権はあるのですから、この場合でも、Aの親戚は誠意を尽くして、Bとの示談に努力し、Aの刑罰が少しでも軽くなるようにすべきです。

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Q11 (ワイロと社交儀礼の差)
 Aは来る市会議員選挙準備のために政治事務所も開設して活動していたが、所轄警察署広報課へ挨拶に行くのに、Bも同道しました。Aは所轄警察署広報課へ行って、「皆さんで食べて下さい。」と言って、大きな西瓜1個を提供しました。警察署広報課員は喜んで西瓜を受取りました。Bはこの光景を見て、警察官は、市民から物品を受取っても、時と場合によっては、収賄罪(刑法197条、公務員が其職務に関し賄賂を収受した時は5年以下の懲役に処する旨が書いてある)、贈賄罪(刑法198条 賄賂を供与した者は3年以下の懲役または250万円以下の罰金に処する旨が書いてある)にならないときがあるのかなと不思議な気がしました。どうなのでしょうか。
A11

 世の中には、法律で書いてある以外に実情に合わせたルールが別にある場合もあります。この西瓜(4000円位)だと社交儀礼の範囲内で、賄賂とは言えないものだとよく言われます。警察官は、法律上、大きな権限を持っていますから、この程度の社交儀礼で警察官を味方につければ安いことかも知れませんが、基準も根拠も明かではありませんので、上記のような真似はしない方がよいでしょう。


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Q12
(名誉毀損)
 AとBが浮気をしていることは事実なので、Cが公然と、これを発表してもよろしいですか。 
A12  刑法230条1項(名誉毀損)「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金に処する」と定めています。
 事実であっても、本人のいやがる事柄を公表すれば罪になるのです。ただし、AまたはBが公務員の場合は、刑法230条の2の1項・3項によって、浮気の事実であれば公表しても処罰を受けません
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Q13 (窃盗罪によって占有を守る)
 AがBに預けてある商品(100万円分)をBはなかなか返さないので、AはBに無断でBの倉庫からその商品を持ち出したが、Aの行為は正しいですか。
A13

 刑法242条(自己の物)に「自己の財物といえども他人の占有に属し、または、公務所の命により他人の看守したるものなるときは、窃盗及び強盗の罪については他人の財物とみなす」旨が書いてあります。この規定によって、AはBの商品(100万円分を持ち帰ったことにより窃盗罪になります。また、Bの倉庫にAが侵入したことは住居侵入罪にもなります。

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Q14 (強盗傷人)
 Aは、Bに暴力を加え、Bが落とした財布(1万円在中)を盗みました。Bは暴力により、1週間のケガをしました。Aの責任はどうなりますか。
A14

 刑法240条に、「強盗が人を傷つけたときは、無期または7年以上の懲役に処す。死亡させたときは死刑または無期懲役に処する」旨が定められています。AがBの財布を盗る目的で、Bに暴力を加えたときは、強盗傷人罪として、無期または7年以上の懲役という重い刑罰を受けるおそれがあります。(実際には酌量減刑があっても3年半以上の懲役になります。)ただし、AはBに暴力を加えるだけの目的であって、たまたまBが財布を落としたので、財布を盗んだのだとしたら、傷害罪(10年以下の懲役)窃盗罪(10年以下の懲役)で、実際に初犯であれば、懲役2年位で終わります。Aが暴行を加えたときの内心の意思がAの運命を大きく変えるのです。

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Q15 (夜逃げと詐欺)
 A(卸屋)が、B(小売店)に商品を500万円分掛売をしたが、Bが代金を支払わないまま、この商品を他に200万円で売って夜逃げしてしまったので、AはBを詐欺罪で告訴したいがどうなりますか。
A15

 刑法246条(詐欺)は「人を欺いて財物をだまし取った者を10年以下の懲役に処する」旨が定まっています。
 Bが500万円の商品を引き取るときから、Aをだましてやろうと考えていたときには、詐欺の故意がありますから、詐欺罪が成立します。しかし、Bが商品500万円を引き取った時には、代金を支払う自信がありましたが、Bの得意先から入金予定の金を得意先が支払ってくれないので、資金繰りが苦しくなって、やむを得ず、商品を200万円で売却し、他の債権者へ支払ったのであって、最初からBはAを騙す意思がなかった場合は、詐欺罪は成立しません。Bが商品を引き取るときの内心の意思にかかっていますので、警察もなかなか捜査をすすめてくれないのが実情です。
  Aの他に3〜4名でもBに同じ手口で被害を受けたという人があれば、被害者全員が揃って告訴すれば、Bが何と言っても、詐欺の故意が認められ、Bを詐欺で有罪にすることは可能かも知れません。

 

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Q16 (勾留期間)
 Aは強姦罪で、平成19年7月1日に逮捕されましたが、起訴はいつまでですか。 
A16

 警察24時間、検察庁48時間、第1回目の裁判所による勾留10日、第2回目の裁判所による勾留10日(合計23日間)ですから、平成19年7月23日午後12時までに起訴出来る証拠がととのえば、検察庁は起訴します。証拠が不十分なときは、不起訴または処分保留のまま釈放(被疑者は自宅にいて、検察庁がその後も捜査を続けて、最終的には起訴または不起訴にします。)になります。

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Q17 (保釈)
 Aは強姦罪で逮捕されましたが、勾留されているのがいやなので、弁護士に依頼して、すぐに保釈してほしいと父親に言って来ましたが、保釈はそのように簡単に認められるのですか。 
A17
(1) 起訴になって(被告人になって)はじめて保釈請求が出来ます。
起訴になるまでに、被疑者の言分が正しくて、逮捕自体が間違っていたときに、釈放されることはあり得ます。
(2)  刑事訴訟法89条(必要的保釈)に、「保釈の請求があったときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。
被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
被告人が前に死刑または無期もしくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮にあたる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮にあたる罪を犯したものであるとき
被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者もしくはその親族の身体もしくは財産に害を加え、またはこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき
被告人の氏名又は住所が判らないとき
」 と定めています。
 保釈申請書を裁判所へ提出すると検察官の意見を求めるため、検察庁へ書類がまわされて、検察官の意見が裁判所へ戻って来て、保釈申請書の内容を、裁判官は保釈の可否を求めます。保釈になるには約3分の1、保釈が却下されるのは約3分の2とも言われています。
 
@ 起訴されたが被告人が否認したままのとき
被告人は、最初否認していたが、後に自白したとき
4号の「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき」になり、検察官は保釈に反対の理由にします。
A 起訴されているのは、窃盗罪1件だが、捜査記録にその他悪いことをしたことを 被告人が認めているとき
3号の「常習として、長期3年以上の懲役又は禁錮にあたる罪を犯したものであるとき」となり、検察官は保釈に反対の理由にします。
 例えば、窃盗罪も傷害罪も、10年以下の懲役ですから、長期3年以上の懲役にあたる罪に該当します。
B 前科のある者については 
⇒ 1号・3号のいずれかに該当して、それを検察官は保釈に反対の理由にします。  
C 強姦は「3年以上の懲役」ですから、1号の「短期1年以上の懲役」になりますので、検察官は保釈に反対する理由にします。
 以上@ABCのような理由があっても、裁判官は保釈を認めてくれる場合もありますが、裁判官は、検察官の意見に同調する場合が多いのです。
(3) 裁判官は保釈を認める場合でも、保釈金を決めます。保釈金は簡単な覚せい剤事件や窃盗事件でも100万円から200万円はします。これを納付してはじめて被告人の身柄は釈放されます。保釈金は裁判の途中で被告人が逃走したときは没収されます。逃走しなかったときは、第1審判決言渡後、すみやかに返還されます。



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Q18 (起訴猶予(きそゆうよ))
 起訴猶予とはどういうことですか。
A18

 刑事訴訟法248条(起訴便宜主義)に「犯人の性格、年令及び境遇犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴迫を必要としないときは公訴を提起しないことができる」と定まっています。
 証拠が揃っていて、起訴すれば、有罪判決となる場合でも、上記の条文によって、今回に限って起訴をしない(起訴猶予)ということで、検察官に叱られただけで終わる場合があります。例えば、前科もない公務員(A)が、体調が悪かったのか、心に魔がさしたのか、飲食店で寿司とビールの飲食代(1500円)を食い逃げしたところを、寿司店員に捕まり、警察へつき出され、Aは警察でも最初からその事実を認め反省の色を示し、寿司店へも被害金額を弁済しているような場合、あえて詐欺罪(食い逃げ)で起訴し、有罪とさせ、公務員の資格を失わせるのが法の目的に適うとは思えません。これは絶対に起訴猶予にしなければならない事案でしょう。証拠が揃って有罪と出来る事件のうち半分が現在、起訴猶予になっていると言われています。
 証拠が揃っていて、有罪と出来る事件のうち半分は、見逃しては被告人のためにも世の中のためにもよくない事件として起訴されます。 このような経過からして、一旦、起訴された事件のうち有罪判決は99%以上とも言われています。

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Q19 (窃盗罪と罰金刑)  
 Aは窃盗罪(車上荒らし)で服役し、1年前に刑務所を出所したが、今回、スーパーで600円程度の食材を万引きして捕まりました。
A19

 このような軽微な万引き事犯でも、従来、窃盗には懲役刑しかなかったので、起訴されれば法律上執行猶予が付けられず刑務所へいかなければなりませんでした。しかし、平成18年に窃盗罪に罰金刑が追加され、罰金刑で処理されれば刑務所へ行かなくてもよくなりました。窃盗罪に罰金刑が追加された趣旨は、窃盗罪の検挙件数が特に万引き事犯につき顕著な増加傾向を示していることなどから、これらの比較的軽微な万引き事犯の処理を適正にするため、刑の選択肢に多様性をもたせる点にあります。

 

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Q20 (強盗致死傷罪と執行猶予)  
 Aは強盗の際、被害者に全治5日程度の怪我を負わせてしまいました。
A20  平成16年の改正により、同罪の懲役刑の下限が7年から6年に引き下げられました。それまでは、酌量減軽しても処断刑が懲役3年6月以上となるため、初犯の比較的軽い事案でも執行猶予の余地がなく刑務所へいかなければならなかったが、この改正により、酌量減軽されれば執行猶予となる余地が生じました。

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Q21 (預金通帳等の第三者への譲渡)  
 Aは、預金通帳等を第三者に譲渡する意図を秘して銀行の行員に自己名義の預金口座の開設等を申し込み預金通帳等の交付を受けました。
A21 いわゆる振り込め詐欺の詐取金の受入口座とするなど不正目的に使用するため、預金通帳等の売買が横行しているが、預金通帳等を売る目的で自己名義の口座を開設し、銀行員から通帳等の交付を受ける上記行為は詐欺罪(刑法246条1項)にあたります。各銀行は通帳等を第三者に譲渡することは禁止しており、行員は第三者への譲渡目的という意図を知っていたら、通帳等を交付しなかっただろうから、「人を欺く」といえるからです。なお、自己が有していた通帳等を正当な理由なく第三者に譲渡する行為も処罰されます(「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律」)。

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Q22 (体感器を使用したパチスロ)  
 Aは専らメダルの不正取得を目的として体感器を身体に装着してパチスロ機で遊技し、体感器を使って大当たりが続発するようになるストップボタンの押し順を解明し、メダルを不正に取得しました。
A22 上記の体感器の使用は、パチスロ機に直接には不正の工作ないし影響を与えるわけではないが、通常の遊技方法の範囲を逸脱するものとしてパチンコ店は張り紙をするなどして禁止しており、上記行為は窃盗罪(刑法235条)が成立します。

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Q23 (ビラ配りと住居侵入罪)  
 Aは政党のビラをドアポストに配布するためにマンション廊下に立ち入りました。。
A23  マンション玄関ホールなどに「パンフレットの投函(とうかん)、物品販売は厳禁」などとの張り紙がされていた場合に、住居侵入罪(刑法130条)にあたるとした裁判例があります。表現の自由とのバランスが問われる難しい問題であります。

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