まさつぐ法律事務所

法律相談 Q&A 

・・・ まさつぐ法律事務所があなたの悩みにお答えします。

 

(この回答は一般的な参考意見であり、個別の状況に応じた法的アドバイスを希望される方は、個別に法律相談をお受けになることをお勧めします。)

 【自己破産・借金の整理】
Q1 (多重債務者救済方法(たじゅうさいむきゅうさいほうほう))
 多重債務者の救済方法として、自己破産・任意整理・個人再生・特定調停があるようですが、それぞれ、どのように異なりますか。
A1  
(1) 自己破産
 裁判所へ債務者自らが自分を破産宣告してもらい、その後、免責許可を得て、法律的に今までの借金をゼロにして、人生を再出発する方法です。
(2) 任意整理
 債務者と各債権者と個別に示談をしていく方法です。一人でも、債権者(A)との間で示談が成立しなければ、Aは債務者に対し、破産申立をし、債務者と他の債権者との示談によって、既に他の債権者が受取った金額をはき出させることになります。
(3) 個人再生
 民事再生法に基づいて、一部の債権者の反対があっても、債務者(A)の収入から最低限度生活に必要な金額を差引いた金額を、3年から5年の間に分割して支払うことによって、残債務を裁判所が免除してくれる制度です。
(4) 特定調停
 債務者(A)が全債権者に対して、簡易裁判所へ支払い方法(金額・分割期間)についての話し合いを、調停委員を間に入れて行うものです。本質は、(2)任意整理と変りがありません。調停委員は、結婚の仲人役のようなもので、どんなに良い案でも、債務者と債権者とが合意しなければ調停は成立しません。


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Q2 (免責(めんせき))
 個人が破産宣告を受けたら、必ず、過去の借金は免責されますか。
A2  悪質な破産者は免責されません。例えば、次のような場合です。詳しくは、破産法第252条1項を見て下さい。
(1) 破産者の財産を不当に減少させた場合
(2) 特定の債権者に特別の利益を与える行為をした場合
(3) 浪費・賭博などによって、著しく財産を減らした場合
(4) 詐術を用いて、信用取引によって、財産を取得した場合
(5) 帳簿を隠したり、ウソの説明を裁判所にした場合


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Q3 (保証人の責任)
 Aは1000万円の借金があるので、自己破産・免責によって、借金ゼロで人生を再出発したいと思っています。しかし、Aの借金のうち300万円については、Bが保証人になっています。Bの運命はどうなりますか。
A3  Aは免責されても、Bの保証責任はなくなりません。
 Bは債権者に300万円を支払うか、支払えなかったら、B自身も自己破産・免責の手段か、個人民事再生の条件がそなわっていれば、その手続きをとることになります。


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Q4 (保証人の署名が偽造のとき)
 Q3において、AがBの保証人としての署名を偽造していた場合はどうなりますか。
A4  Bの署名を筆跡鑑定、A・Bを裁判で尋問した結果、Bが保証人になっていないことが判明したら、Bの保証人としての責任はありません。しかし、Aは私文書偽造・同行使罪(Bの署名を偽造)及び詐欺罪(債権者から300万円をだまし取った)として刑罰を受け、自己破産しても免責を受けられないでしょう。

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Q5 (保証人の署名を偽造した者の責任)
 京都で大学生活を送っているAがサラ金屋から50万円を借りるのに、保証人が必要なので、郷里に住んでいるB(父親)の住所氏名を保証人欄に無断で書いて50万円を借りました。Aは借金を返せないので、サラ金屋は、Bに50万円を請求しました。Bは保証人として署名していないので、支払う責任はないと言いました。A・Bの運命はどうなりましたか。
A5  サラ金屋は、Bが署名していないのなら、Aを私文書偽造・同行使罪及び詐欺罪で警察に告訴すると言いました。Aが犯罪者として刑罰を受ければ、Aは大学を退学となり、将来もなくなるので、Bは泣く泣く50万円をサラ金屋に返済しました。

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Q6 (住宅ローン付債務の特例)
 Aは1000万円の借金の他に、自宅を買った時の住宅ローンの残債務が2000万円あり、自宅に2000万円の抵当権が設定されています。Aが自己破産申立をしたら、自宅はどうなりますか。Aはサラリーマンであり、月収25万円です。 
A6  Aの毎月の所得が安定しているので、個人民事再生によって、1000万円の借金のうち約60パーセントの支払が免除され、残金を3年から5年の分割払、毎月の住宅ローンはきちっと支払っていく方法で、自宅を守りながら、人生を再出発させる方法があります。


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Q7 (住宅ローン付債務よりも住宅価格が低い時)
 Q6において、Aの自宅の住宅ローンの残債務が2000万円です。自宅を買った時は3000万円でしたが、今では1400万円に値下がりしている場合は、Aはどうしたらよいですか。
A7  自宅の時価の将来の変化は判りませんが、1400万円の自宅を守るために、2000万円の借金(これに利息も加算される)を長期間にわたって支払続けるのは考えなければなりません。思い切って自己破産し、免責を受けて、自宅も失いますが、借金ゼロになって、賃貸家屋に住む方が賢明かも知れません。いつまでも、昔の3000万円の夢ばかりを見ていてはいけません。

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Q8 (自由財産99万円)
 Aは1000万円の借金(債権者数8名)がありますが、現金が80万円あります。他に財産はありません。破産申立をすれば、この80万円も債権者に対する弁済に充てなければなりませんか。
A8  破産者は99万円までの現金は、債権者の弁済のために投げ出さないで、自由に使うことが出来ます。
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Q9 (差押禁止物)
 債権者は、債務者の財産を、何でも差し押さえることは出来ますか。
A9  債務者も、人間として生きていかねばなりませんので、債権者といえども差押え出来ないものが次の通り法律で決まっています。
(1) 債務者等の1ヶ月間の生活に必要な食料・燃料
(2) 生活に欠くことの出来ない衣服・寝具・家具・台所用品・畳及び建具
(3) 農業・漁業従事者の農機具・漁具など
(4) 給料の4分の3(給料から税金などを控除した金額の4分の3相当部分。ただし、高給取りの場合は1ヶ月33万円を超える部分は全部差押出来る)
(5) 退職手当の4分の3
(6) 生活保護を受け取る権利
(7) 年金を受け取る権利


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Q10 (受任通知)
 Aは1000万円(債権者数8名)の借金があり、返済が滞って来たので、連日、債権者らから返済を迫られ、Aもその家族も、電話がかかって来ても、債権者らの声を聞くのがおそろしくて、電話にも出ることが出来ません。どうしたら、債権者らが電話をして来たり、取立てに自宅へ来るのを止めることが出来ますか。
A10

 弁護士に自己破産申立の手続を委任し、弁護士が、Aの代理人として「Aが弁護士を代理人として自己破産申立をすることになったので、Aに対し、直接請求したり、取立てたりすることは御断りします。いずれ裁判所から通知がありますので」という受任通知を各債権者へ送付しますと、各債権者からAへの電話や取立行為はぴたりと止まります。

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Q11 (破産者の社会生活の変化)
 破産宣告を受け、免責を受けられるはありがたいのですが、破産者になると、社会生活上、どんな不利益を受けますか。
A11
(1) 破産は労働基準法の解雇事由にはなりませんので、破産したことのみで解雇されることはありません。
(2) 法律で、弁護士・建設業者・風俗営業者・宅地建物取引業者など、破産者はなれない職業が決まっています。しかし、免責を受けますと、資格を回復することが出来ます。
(3) ブラックリストに載せられ、5〜10年間は抹消されません。抹消されるまでは、金融機関からの借入、クレジットカードの新規作成・使用、ローンの利用等が出来なくなります。


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Q12 (ヤミ金融)
 ヤミ金融の取扱いは?
A12
(1) ヤミ金融の行為は、暴利を貪る犯罪行為ですから、
@ ヤミ金融との取引は公序良俗に違反する暴利行為として無効(民法90条)
A ヤミ金融からの請求は不法原因給付であって、支払の義務はありません(民法708条)。ヤミ金融からの金を返さなくても良いのです。
B 被害者はヤミ金融業者に対し、支払った金額の返還を請求出来ます(ヤミ金融業者は電話番号しかわからず、住所もわからない場合が多いので、現実に支払った金額の返還を請求するのは無理と思います)。
(2) 破産申立書の債権者一覧表に、ヤミ金融屋からの借金も記載しておけば、免責の効力は及びます。


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Q13 (労働債権の保護)
 労働債権はどのように保護されますか。
A13
(1) 給料債権の未払分は、全部、債務者の総財産の上に、労働者は先取特権を有します(民法306条2号、308条)
(2) 破産手続開始前に、労働債権の財団債権に該当する部分(破産手続開始前3ヶ月間の給料)を支払ったとしても、他の債権者の権利を害することにはなりません。
(3) 労働者健康福祉機構の立替払制度によって、破産申立前に労働債権の弁済が困難な場合、従業員には未払給料及び未払退職金が支払われる場合があります。


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Q14 (破産申立の弁護士費用)
 破産申立の弁護士費用を作るために、残った財産を売却処分してもよろしいですか。
A14
(1) 売却処分してもよいです。しかし、時価を大きく下回る価格で売ってはいけません。
(2) どうしても、弁護士費用を調達出来ない場合は、日本司法支援センター京都地方事務所(法テラス京都)の扶助(弁護士費用の立替)を受けることが出来ます。

 

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